ミリオンダラー・ベイビー 

久々にエンドロールが流れだした後に放心してしまう映画だった。貧しい家庭に育ったボクサーを目指す31歳のマギー(ヒラリー・スワンク)と書いても書いても返却されてしまう手紙を娘に宛てて書いている孤独な老人トレーナーの物語。よくある、女性ボクサーが栄光をつかむまでの物語かと思いきや・・後半は深く静かで温かくも悲しい結末だった。いやー、これはアカデミー賞獲るでしょう。『ボーイズ・ドント・クライ』に引き続き、痛々しい人生を演じさせたら彼女の右に出る者はいない!って感じだ。そして、モーガン・フリーマン。『ショーシャンクの空に』の彼を思い出すような味のある抑えた演技が最高だった。クリント・イーストウッド演ずるトレーナー・フランキーのこれから一生背負っていくであろう重い十字架、そして、マギーの、ほんの一瞬であろうとも輝きを放った人生・・心に残る映画だった。