宇宙戦争 

スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演の映画。人類が誕生するずーっと前から地下に巨大なロボットを埋め込んで、地球を長年観察していた知的生命体(異星人)が稲妻のようなもので地球に降り立って、そのロボットに乗って地球&人類を破壊しまくるという話。主演のトムはティーンエイジャーの反抗期まっさかり息子と10歳になる娘(『アイ・アム・サム』の女の子、ダコタ・ファニング)を離婚した妻から一時的に(週末のみか?)預かることになった2児の父親役。この父親トムが人間的にも未熟で(子供の言葉や態度にもすぐムキになっちゃったり、子供の前で恐怖のあまり泣いたり、パニくったり)、まあそのダメな父親っぷりも人間らしくて良いっちゃ良いのだけど、それよりもトムの見た目があまりにも若すぎて、全然2児の父親の雰囲気を醸し出せていないのが余計に感情移入できない所でもあったかな。ちょっと年の離れたお兄ちゃんって感じで。
とにかくこの宇宙からの侵略者はあまりにも強すぎて、人間はただただ逃げ惑うばかり。トムも例外なく家族と共に逃げまくる。ほとんど戦いません。それはそれでリアル。実際に宇宙人が責めてきたら、他によくあるパニック映画みたいに戦える人ってそんなにいないと思うしね。私が怖かったのは攻めてくる宇宙人より、パニック状態に陥った時の人間の狂気・・・。トム家族だけが車で逃げている所に(ほとんどの車は磁気の影響?で動かなくなった)、「車に乗せろ〜」と大勢の人々がゾンビのように押し寄せてくるシーンやフェリーに乗り込むシーンなどがゾッとした。
ラスト・・・。『えっ?』って感じ。長年、地球を観察し続けていた高度な文明を持った地球外生命体なのに、それには気がつかなかったのん??うそーん!って感じ。それをラストのほんの1,2分で説明して終わり。トムも娘を無事にボストンの妻の所まで送り届けるのだけど、途中でお互いに納得のもとで離れ離れになった息子は先にちゃっかりと辿りついてるし、娘も母親を見た瞬間、トムとの別れを特に惜しむでもなくすぐにママの所に走って行っちゃうし・・・。しょぼーんと帰るトム。うーむ。出産を控えた私は『ティーンエイジャーの扱いって、どこの国でも難しいものよね・・・。』とこれから生まれてくる娘の未来に思いを馳せてしまった。あ、でも、映像はスピルバーグだけあって迫力あったし、目の荒い感じのスクリーンがよりリアル感を出していて良かった。